KDS New Wave Story-18

KDS New Wave 第18話

「小さく軽いものは安い」の実現

理想的な製品思想

当社は、キープロダクトであるArkhシリーズによって「安定供給」と「環境対応」の両立を目指しています。
そのポイントとなる理想的な製品思想は以下の7つです。

Arkh特長

 

①フルオート生産 と ②ZD品質の達成

Arkhシリーズは、ウエハレベルパッケージ(WLP)工法を採用しています。
従来品に採用されている1 by 1工法では難しかった完全フルオート生産が、WLP工法により実現可能となります。また、フルオート生産では真空下でさまざまな工程を処理するため、異物混入リスクを排除することができ、品質向上やゼロディフェクト品質にもつながります。

 

③単位面積当たりのアウトプット増加と環境対応

WLP工法で使用する生産設備は、1 by 1の従来品設備と比較すると、ウエハのまま組み立てることができるため、運搬にかかる部分など設備の設置面積を大幅に削減することが可能となり、単位面積当たりのアウトプットが約7倍になります。これは従来品と同じ生産数であればクリーンルームなどの付帯設備が1/7で収まることを意味しており、工場でのCO2排出量の削減にもつながるため、アウトプット増加による安定供給だけでなく環境対応も同時に実現することが可能になります。

約7倍

 

④外部調達部品の低減

当社は人工水晶の育成から加工までを一貫生産しているため、水晶は自社調達が可能です。
Arkh振動子は、セラミックパッケージと金属リッドを使用しておらず、電極材料以外の構成部品は全て水晶です。また導電性接着剤も使用しないため、外部調達部品をほぼ0にすることが可能です。

外部調達部品

⑤製品サイズとコストを比例させる

WLP工法は、製品サイズを小さくすれば、同じサイズのウエハ1枚当たりからの取れ数が増えるため、製品サイズに比例してコストが下がります。また、ウエハのままハンドリングするため、水晶片を小型化しても同じサイズのウエハであれば組み立ての難易度は変わりません。

 

⑥IC内蔵を可能にする小型/薄型の達成

ArkhシリーズはSIP(System In Package)のように、IC内蔵などの高密度実装にも対応可能です。従来品で最も薄い水晶振動子の厚みは300μmですが、Arkh.3Gは130μmと半分以下の厚みを実現しています。
小型化に加え、これまでの水晶業界にない圧倒的な薄さを実現することで、これまで不可能と考えられていた場所にも水晶振動子を搭載することが可能となりました。

 

⑦Arkhシリーズのモジュール化

Arkhシリーズをモジュール化する場合、水晶振動子の構造をほぼ変更することなく、その上に追加部品を実装するだけで容易にモジュール化できます。例えば、水晶発振器を作る場合は、水晶振動子の上にICを実装するだけです。

 

「小さく軽いものは安い」を追究

これら7つの製品思想によって設計されたArkhシリーズに、当社のコアテクノロジーである水晶ウエハの大判化を融合させることで、我々が理想とする「小さく軽いものは安い」を追い求め、さらなる企業競争力の強化を図ります。

企業競争力