KDS New Wave Story-14

KDS New Wave 第14話

ゼロディフェクト品質

水晶デバイスの役割と求められる品質

水晶デバイスは半導体(IC)が必要とする安定した基準信号を作り出し、円滑なデータの送受信や正確な時刻の表示などを可能にしています。スマートフォンやクルマ、産業ロボットなど、生活に身近なものから産業機器までデジタル制御が必要な幅広いアプリケーションに使用されています。このようにデジタル社会に必要不可欠であるという例えから、水晶デバイスは「産業の塩」とも呼ばれており、私たちの暮らしを支えています。
また、水晶デバイスは常に安定した動作が求められています。基準信号が安定しないと各種アプリケーションが正常に動作しなくなり、場合によっては人命に関わる可能性もあるため、その品質が極めて重要であることは言うまでもありません。

用途

 

水晶デバイスを安定して動作させるために

水晶デバイスが正常に、安定して動作するために重要なことは水晶片の振動を阻害しないことです。水晶片にわずか数ミクロンの異物が付着するだけでも水晶片の振動が変化し、水晶デバイスは求められる基準信号を作り出すことができなくなります。さらに、水晶デバイスは内部環境のわずかな変化や、水晶片を固定する導電性接着剤の大きさ/厚さのバラつきの影響を受けてしまうほどデリケートな製品なのです。

 

ゼロディフェクト品質を目指して

当社オリジナルのキープロダクトである「Arkhシリーズ」は、一般的な水晶デバイスに用いられるセラミックパッケージや金属リッド、導電性接着剤を使用しないため封止後に内部材料から発生するアウトガスや導電性接着剤の大きさ/厚さのバラつきによる影響を受けない設計になっています。また、3枚の水晶をウエハ状のまま貼り合わせるWLP(ウエハレベルパッケージ)技術を採用しており、組み立て工程を真空雰囲気下で行うため、異物が混入するリスクを排除することができます。
当社では新たな設計思想と新たな製造工程でゼロディフェクト品質(不良ゼロ)を目指します。