KDS New Wave Story-13

KDS New Wave 第13話

外部調達部品の低減

水晶デバイスの部品構成と調達リスク

水晶デバイスを構成する部品は、水晶振動子を例に挙げますと「水晶片」、「導電性接着剤」、「セラミックパッケージ」、「金属リッド」で構成されています。水晶片以外の部品について、当社では基本的に外部からの調達しており、外部調達比率が高いといえます。

外部調達比率が高いとサプライチェーンの混乱が生じた場合、部品調達が困難になるなど、安定供給に対するリスクが伴います。我々がマテリアリティと考える「安定供給」を実現するためには部品構成を変える必要があります。

構造

 

安定供給を可能にする部品構成

当社では水晶原石の育成から加工までを一貫生産しており、水晶片以外の材料として水晶を活用できれば外部調達比率の低下につながります。これまでも紹介してまいりましたが、当社オリジナルのキープロダクトである「Arkhシリーズ」は、基本構造が3層の水晶で構成されておりセラミックパッケージや金属リッドは必要なく、水晶片をパッケージの一部と一体化させているため導電性接着剤も不要な製品です。このようにArkhシリーズは従来品から部品構成を大きく見直すことで部品調達リスクを限りなく0に近づけ、安定供給を可能にしています。

Arkh series

 

環境負荷の低減

外部調達比率を下げると環境負荷の低減も可能になります。例えば、Arkhシリーズは導電性接着剤を使用しないことから、従来品のように接着剤の乾燥/硬化用の高温炉を稼働させる必要がなくなるため、エネルギー使用量や設備の設置面積を削減でき、省エネやCO₂の排出抑制にもつながります。

また、パッケージやリッドを水晶にすることでWLP(ウエハレベルパッケージ)を実現しています。WLPは水晶ウエハのまま加工することができるため、製造プロセスも効率化が可能になり、供給面と環境面の双方でメリットがあります。