KDS New Wave Story-12

KDS New Wave 第12話

完全フルオート生産

完全フルオート生産の必要性

今後ますます増加する需要に対し、「安定供給」と「環境対応」の両立だけでなく、「品質レベルの向上」を追求しつつ「少子高齢化」など人員不足へも対応する必要があります。当社ではこれらを実現する手段の1つとして完全フルオート生産への取り組みを進めています。

例えば必要数量が2倍になったとして、工場、生産設備、人を2倍にすると確かに供給量は増えますが、環境への負荷は大きくなるばかりです。安定供給と環境対応を両立させるためには工場の増床をせずに少人数でアウトプットを増加させることが肝要であり、完全フルオート生産は必要不可欠な取り組みです。

 

品質レベルの向上

製品が問題なく生産されているかを確認する際、自動化が進んでいなければその確認は人による目視に頼らざるを得ません。しかし、これには高い集中力、経験が必要であり、ミスを起こす可能性があります。目視による確認からセンサーやカメラによる画像認識へと自動化することで、人によるミスが減少し安定的に同じ品質の製品を生産することができます。これまでも当社は部分的な自動化を進めてまいりましたが、完全フルオート生産の実現により、品質レベルの向上を目指しています。

完全フルオート生産の実現には生産設備だけでなく、対応可能な製品設計が必要になります。当社オリジナルのキープロダクトである「Arkh(アーク)」シリーズでは3枚の水晶をウエハ状のまま貼り合わせるWLP(ウエハレベルパッケージ)技術を採用しており、組み立て工程を真空雰囲気下で行うため、異物が混入するリスクを排除することができます。これは水晶デバイスの品質向上を実現する製造工程の変革と言えます。

Arkh series

 

人の仕事の変革

少子高齢化による人員不足を解消し成長を遂げるには、限られた人数でより高い生産性が求められます。そうなると人の働き方は変わらなければなりません。人の作業は完全フルオート化された生産設備に置き換わり、人は製造中の製品に触れることなく製造フローを管理します。最終的には製造フローの管理も自動化され、人が介入するのは人の手が必要なトラブルのみになります。

当社は自動搬送ロボットを導入し、工程間の製品の運搬について検証をスタートしています。今後、当社における人の仕事はさらなる進化を目指し、新しい価値を生み出すなど、「創造する仕事」に変革します。

[自動搬送ロボット] 自動搬送ロボット

このように当社は完全フルオート生産で「安定供給」と「環境対応」を両立させ、「品質レベルの向上」と「人の仕事の変革」を行い、高品質で環境にやさしいモノづくりを目指してまいります。