KDS New Wave Story-3

KDS New Wave 第3話

人工水晶の加工技術 - 6inchウエハの加工を実現 -

水晶ウエハの大判化

フォトリソ工法で使用する水晶ウエハはウエハサイズが大きくなればなるほどウエハ1枚当たりの水晶片の取れ数は増加し生産性が向上します。

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しかし、人工水晶の切断や研磨など、その加工は水晶ウエハが大きくなるにつれ難しくなり、また、既存設備では対応することができなくなります。当社では加工技術の精度を向上させるとともに、新規設備の開発・導入を行い対応しています。ただ単に新規設備を導入してもそのまま使えるわけではありません。人工水晶が大きくなれば今までの加工条件と異なるため、さまざまな検証を行い適切な条件出しが必要になります。

 

水晶ウエハができるまで

人工水晶から水晶ウエハが完成するまでのフローをご紹介します。

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1️⃣ ランバード加工
水晶には以前にもお話ししましたが、方向性があり、電子部品として機能させるため結晶軸を明確にする必要があります。この工程をランバード加工と呼んでいます。

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2️⃣ ランバード貼付
ランバード加工後の人工水晶を必要な角度で切断するために、台座に角度を測定・調整しながら固定します。ここで、人工水晶の大型化に伴う重量の増加により角度測定精度のバラツキが課題となりましたが、新規設備を開発することでその精度の向上を可能としました。

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3️⃣ ウエハ切断
切断後のウエハにうねりやバラツキが生じないように条件出しを行い、台座に固定された人工水晶をワイヤーソーと呼ばれるワイヤーを多数張った装置で切断します。

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4️⃣ 外周加工
ワイヤーソーで切断されたウエハを円板上に加工します。

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5️⃣ 精密研磨/ポリッシュ加工
仕上げとして、外周加工後の円盤状の水晶ウエハに対し、その平面度の規格が満足するよう精密研磨/ポリッシュ加工を行います。
当社はこれまで4inchウエハまで量産展開を進めておりますが、既存の研磨設備では世界最大となる6inchウエハに対応できません。そこで、新規設備を導入、加工条件の最適化を行うことで6inchウエハの研磨/ポリッシュ加工を実現しています。

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今後の展開

このように、当社では世界最大の6inchウエハ用人工水晶の育成だけでなく、ウエハのポリッシュ加工まで実現しています。今後は、さらなる生産性や加工精度の向上など量産に向けた取り組みを推進し、コアテクノロジーと位置付ける「水晶ウエハの大判化」によって競争優位性を確保してまいります。