KDS New Wave Story-16

KDS New Wave 第16話

製品サイズとコストの比例

電子部品のサイズトレンド

高度情報化社会の到来によって、我々の身の回りの電子機器はより高度なものに進化してきました。高機能化や高性能化によって電子機器に使用される電子部品の数は増加しています。また、昔に比べると電子機器は小型化しているため、内部の電子部品も小型、薄型化に進化してきました。

 

水晶振動子のコスト構造

水晶振動子の構造は、セラミックパッケージの中に水晶片を導電性接着剤で固定し、蓋で封止するのが一般的で、部材であるパッケージや蓋を小さく薄く、そして中に入れる水晶片を小さくすることで、水晶振動子の小型化を進めてきました。
部材を小さく薄くすると、使用する材料が少なくなることで一般的にはコストが下がりますが、一定のサイズ以下になると、加工や組み立てなど生産工程での技術的難易度が高くなることから、逆にコストが上がってしまいます。
つまり、水晶振動子のコスト構造は、「小型化すると高くなる」ということになります。

サイズとコスト1

 

WLP技術

当社のオリジナル製品であるArkhシリーズは、3層の水晶をウエハ状のまま貼り合わせるWLP(ウエハレベルパッケージ)技術を採用しています。従来の1by1工法とは異なり、WLP技術はウエハ状のまま組み立てるため、ハンドリングの難しさなどを解決でき、小型/低コストを実現しています。
さらにArkhシリーズは、パッケージと蓋も人工水晶を利用した製品で、すべて自社調達できるため、サプライチェーンの混乱などに左右されず、安定的な調達が可能な製品です。

サイズとコスト2

 

製品サイズとコストの比例

WLP技術では、同じサイズの水晶ウエハで比較した場合、製品サイズを小さくすればするほど、一度の処理で生産できる数が増えるため、製品サイズに比例してコストが下がります。また、当社のコアテクノロジーである水晶ウエハの大判化によって処理数が増加するため、水晶ウエハのサイズが大きくなればなるほどさらにコストが下がります。
つまり、WLP技術を採用するArkhシリーズは、小型化と低コストを両立できる当社オリジナルのキープロダクトです。

サイズとコスト3