幅広い温度範囲で狭偏差に対応した水晶発振器(SPXO)DSO221SWを開発
この度、当社(社長 長谷川宗平)は、小型で狭偏差に対応した2520サイズの水晶発振器 「DSO221SW」を開発しましたのでお知らせします。 近年、電子機器の小型、高性能、高機能化が進展しており、それらを構成する電子部品にも同様のニーズがますます強くなっています。特に 近距離無線通信の分野においては通信速度の向上と共に、通信精度の向上が大きな課題になっています。また、多機能化に伴う高密度実装 および近接ICの発熱などによりセットでの温度上昇も懸念されるため、より広い動作温度範囲でより高い精度の製品が強く要求されています。 それらの課題に対応すべく開発した「DSO221SW」は外形寸法が2.5×2.0×0.8mmで、幅広い温度範囲で狭偏差に対応した (例:±10×10-6/ -20~+70℃、±30×10-6/-40~+105℃)水晶発振器です。従来のDSO321シリーズ(3.2×2.5×0.9mm)に比べ、容積比で約45%小さく、近 距離無線モジュールの小型、多機能化へのニーズに対応することが可能になりました。 さらに、温度補償水晶発振器(TCXO)の周波数調整ノウハウを利用することで、従来のSPXOと比較して、より狭偏差を実現することが可能 となりました。 また、+105℃までの動作保証も実現しておりますので、カーエレクトロニクス用としての環境下でもご使用頂けます。周波数範囲は3~54 MHzまで対応しており、+1.8Vの低電圧駆動から、最大+3.3Vでの動作が可能です。 「DSO221SW」は、鉛フリ-や欧州のRoHS指令に対応した環境性能にも優れている水晶発振器です。
- [開発機種]
- DSO221SW
- [特長]
-
- 2520サイズ (2.5×2.0×0.8mm)
- 狭偏差対応:
・±10×10-6/-20~+70℃
・±12×10-6/-30~+85℃
・±15×10-6/-40~+85℃
・±30×10-6/-40~+105℃ - 周波数範囲: 3~54MHz
- 低電圧対応 電源電圧: +1.8~+3.3V
- C-MOS出力
- [主な用途]
- WiLAN(ワイヤレスLAN)、 WiMAX(無線通信)、PLC(電力線搬送通信)、 SSD(ソリッドステートデバイス)、 UWB(超広帯域無線)、MID
(モバイルインターネットデバイス)、医療用機器、携帯電話、映像機器、カーエレクトロニクス関連など
- [生産開始時期]
- 2009年 6月より
- [サンプル価格]
- 価格@¥700 サンプル対応中
- [生産数量]
- 1,000千個/月
- [電気的特性]
-
項目
記号
規格
単位
条件
MIN
TYP
MAX
動作電源電圧
Vdd
+1.6
+1.8
+2.0
V
-
-
+2.25
+2.5
+2.75
+2.6
+2.8
+3.0
+3.0
+3.3
+3.6
動作温度範囲
T_use
-40
-
+105
℃
-
-
周波数偏差
F_tol1
-10
-
+10
×10-6
-
Topr=-20~+70℃
F_tol2
-12
-
+12
-
Topr=-30~+85℃
F_tol3
-15
-
+15
-
Topr=-40~+85℃
F_tol4
-30
-
+30
-
Topr=-40~+105℃
消費電流1
3.0≦F0≦26
(MHz)Idd
-
-
2.0
mA
Vdd=+1.8V
No Load
-
-
2.5
Vdd=+2.5V
-
-
2.8
Vdd=+2.8V
-
-
3.0
Vdd=+3.3V
26<F0≦54
(MHz)-
-
4.0
Vdd=+1.8V
-
-
4.5
Vdd=+2.5V
-
-
5.0
Vdd=+2.8V
-
-
5.5
Vdd=+3.3V
消費電流2
出力ディス
エーブルI_std
-
-
10
μA
-
-
波形対称性
0.5×Vdd
SYM
45
50
55
%
-
-
出力端子
0レベル電圧
Vol
-
-
Vdd×0.1
V
-
-
1レベル電圧
Voh
Vdd×0.9
-
-
立上り時間
Tr
-
-
10
ns
Vdd×0.1-Vdd×0.9立下り時間
Tf
-
-
10
出力負荷
L_CMOS
15
pF
-
-
入力端子
0レベル入力電流
Iil
-
-
-0.01
mA
-
-
1レベル入力電流
Iih
-
-
0.01
0レベル入力電圧
Vil
-
-
Vdd×0.2
V
1レベル入力電圧
Vih
Vdd×0.8
-
-
出力ディスエーブル時間
Tplz
-
-
150
ns -
-
出力イネーブル時間
-
※ 上記仕様は、標準仕様の一部です。この他の仕様、または特殊仕様については別途ご相談ください。
- <外観図>
-
<用語の説明>
水晶発振器
周波数の基準源として精度の高い水晶振動子が広く使われていますが、水晶振動子から周波数信号を得るためには発振回路が必要にな
ります。 水晶発振器は、水晶振動子と発振回路を組み合わせ、1つのパッケージにした商品で、使用者は発振回路を準備しなくても電源を与
えるだけで周波数信号を得ることができる利点があります。温度補償水晶発振器(TCXO)
水晶振動子の温度による周波数変化を補正する回路を内蔵した高精度水晶発振器です。広い温度範囲で、少ない周波数偏差の要求に対
応することが可能です。狭偏差(対応)
水晶発振器(SPXO)を含む水晶デバイスには、周波数温度特性と呼ばれる、温度変化に対して周波数が変動する特徴があります。従来の
水晶発振器(SPXO)における周波数温度特性は、常温(+25℃)での周波数許容偏差などを含めて、「±100×10-6/-40~+85℃」や「±50×
10-6/-40~+85℃」です。この周波数変動を「±15×10-6/-40~+85℃」などに抑えた製品を「狭偏差」と呼んでいます。RoHS指令
Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electronic Equipment の略。
EU(欧州連合)が2006年7月1日に施行した有害物質規制。電気電子機器への特定有害物質の含有を禁止します。規制対象となっている
のはPb(鉛)、Cd(カドミウム)、Cr6+(6価クロム)、Hg(水銀)、PBB(ポリブロモビフェニル)、PBDE(ポリブロモジフェニルエーテル)の6物質
です。2002年11月にEU(欧州連合)の調停委員会で合意されました。