ホーム > 製品案内 > 新製品情報
新製品情報
PDF
多機能温度補償水晶発振器モジュール  DSA322MBの開発とサンプル供給開始

 

                             

 

この度、当社(社長 長谷川 宗平)は移動体通信機器の小型、省電力設計を可能にする多機能温度補償水晶発振器モジュールDSA322MBを開発し、サンプル供給を開始しましたのでお知らせいたします。
 当社は、従来の温度補償水晶発振器(TCXO:水晶振動子の温度による周波数変化を補正した高精度の水晶発振器)に周辺回路を取り込んでモジュール化(Multifunction-TCXOモジュール)する取り組みを展開しております。現在、W-CDMA、CDMA2000等に使用可能な3225サイズ多機能温度補償水晶発振器モジュール DSA322MAの生産をしておりますが、最近の移動体通信機器の高機能化に対応した製品DSA322MBを開発しました。
 DSA322MBは、移動体通信機器の小型化、省電力設計に有効な機能を集約してTCXOに内蔵した製品です。内蔵された機能を活用することにより、移動体通信機器の小型化/省電力設計を容易にします。高機能端末の小型化や省電力化に有効な製品であり、今後拡大が予想される同機器の市場を中心に供給する計画です。

 本TCXOモジュールのサイズは3225サイズ(外形寸法:3.2×2.5×1.0mm max.)、容積は0.008ccです。本TCXOモジュールは3225サイズでありながら、基板上に組み込まれていた機能、省電力化に有効な付加機能を内蔵することにより、省スペース設計や省電力設計が可能になり、大きなメリットを実現しました。

内蔵する付加機能は、以下のとおりです。

 ①  TCXOの周波数出力を3出力としました。(従来機種DSA322MAは2出力)
  通常、TCXO出力信号は回路基板上のバッファアンプを経由して無線部(PLL回路)/ロジック回路部等へ供給されます。
  本TCXOモジュールは専用ICにバッファアンプを3個内蔵し3つの周波数出力を実現しました。
  TCXOの外部にバッファアンプを構成した場合と比較して、消費電流削減/デバイス実装面積の削減に対し大きなメリットがあります。
  無線部(PLL回路)への出力クリップドサイン波で、外部制御端子によりバッファアンプのENABLE/DISABLE制御が可能な、省電力制御が可能な構成としました。
ロジック回路部へ供給される出力は、直接CMOSロジック回路を駆動可能なCMOSバッファアンプを内蔵しました。ベースバンドの信号処理用CPU/DSP等へ直接クロックを供給します。
端末の高機能化に伴いCMOSロジック回路部への出力は2出力としました。
CMOSロジック回路への出力電圧は接続される回路ブロックの電源電圧を外部入力することにより個別に任意の値に設定可能です(+1.4V~+3.3Vの範囲で対応)

 ②  温度センサー出力を設けました。
RF部のPA/LCD等の温度補償を目的に、温度センサー出力を設けました。
PAの出力レベルの温度補償/LCDのコントラストの温度補償に利用可能です。
通常、温度センサーの機能は、外部の専用の温度センサーIC/チップサーミスタ等により構成されるため、消費電流削減/デバイス実装面積削減の面でメリットがあります。

 これらの付加機能を3225サイズに取り込み、10端子LCC構造を採用しました。標準周波数として、19.2MHz/26MHzを準備しました。
本TCXOモジュールを採用することにより、従来のTCXOを使用した場合と比べて以下のメリットがあります。

 ①  消費電流を削減することが可能であり、連続待ち受け時間の延長が可能となる。
内蔵バッファアンプの細かな省電力制御が可能である。この制御を有効に活用することにより、大幅な省電力設計が可能となる。

②  デバイスの実装面積が大幅に削減され、セットの小型化が可能となる。
温度センサー/バッファアンプを内蔵しており、機器に占めるデバイスの実装面積の削減が可能です。これら内蔵部品を個別の部品として設計した場合と比較して、実装面積を40%程度削減することが可能です。

 本TCXOモジュールは完全鉛フリー製品であり、環境面にも配慮しております。

 
■特長
  • 超小型多機能TCXOモジュール(3.2×2.5×1.0mm max.)
    3225サイズのTCXOに、2つの付加機能を内蔵。 
  • TCXO周波数出力×3(1出力はENABLE/DISABLE制御が可能)
  • 温度センサ-出力
  • 完全鉛フリー

[主な用途]
   移動体通信機器(W-CDMA/CDMA2000/TD-SCDMA)

[サンプル価格]
   価格@¥1000

[量産開始時期]
   2007年12月より

[生産数量]
   1000千個/月

 
■電気的特性
型名 DSA322MB
標準周波数

19.2MHz/ 26MHz

出力周波数範囲

9.6MHz~40MHz

電源電圧 (Vdd1)

+2.8V (+2.4V~+3.3Vの範囲で対応)

消費電流

+2.4mA typ.(F=26MHz/出力1 DISABLE時 Vdd2,Vdd3=+1.8V)
+3.0mA typ.(F=26MHz/出力1 ENABLE時 Vdd2,Vdd3=+1.8V)

TCXO 出力電圧1

0.8Vp-p min.  負荷:10kΩ//10pF

TCXO 出力電圧2

C-MOS Level 負荷:15pF  (Vdd2=+1.4V~+3.3Vの範囲で動作)

TCXO 出力電圧3

C-MOS Level 負荷:15pF  (Vdd3=+1.4V~+3.3Vの範囲で動作)

周波数常温偏差

±1.5×10-6(After 2 reflows)

周波数温度偏差

±2.0×10-6/-30℃~+85℃

周波数電源変動

±0.2×10-6/(+2.8V±0.2V)

周波数負荷変動

±0.2×10-6/(10kΩ//10pF)±10%

周波数可変範囲
(VC-TCXO)

±7.6×10-6~±12×10-6
(Vcont=+1.4V±1V)

エージング特性

±1.0×10-6/year

起動時間

2.0msec max.

※ 上記仕様は、標準仕様の一部です。上記仕様外につきましては別途ご相談ください。
 
■外観図

 

 [用語の説明]

●温度補償水晶発振器(TCXO)
水晶振動子の温度による周波数変化を補正する回路を内蔵した高精度水晶発振器です。広い温度範囲で、少ない周波数偏差の要求に対応することが可能です。

●W-CDMA/CDMA2000/TD-SCDMA
移動体通信の通信方式。

●PLL
PLLシンセサイザ、TCXOの出力周波数を基準に異なる周波数を発生する周波数シンセサイザ。

●バッファアンプ
緩衝アンプ。次段に接続される回路の負荷の影響を吸収する回路

●CMOSロジックレベル
CMOSデジタル信号処理の論理レベル

●ベースバンド
デジタル通信機器のデジタル信号処理部

●温度センサー
温度の変化を電圧の変化/抵抗の変化に変換する回路/素子。

●鉛フリー
大真空では環境に対する鉛の放出量削減を目的に、水晶製品に含まれる鉛の削減に取り組んでおり、TCXO関連製品は完全無鉛対応しています。

 

[特性の説明]

●出力周波数範囲
発振器が出力する周波数の公称値(公称周波数)をいいます。製造可能な公称周波数の幅を示します。

●消費電流
発振器が消費する電流値。

●出力電圧
出力信号の振幅電圧値

●周波数常温偏差
発振器が出力する周波数の公称値との偏差で、百万分率(×10-6)で表します。

●周波数温度偏差
使用温度範囲で発振器が出力する周波数の+25℃での出力周波数との偏差で、百万分率(×10-6)で表します。

●周波数電源変動
発振器が出力する周波数の電源電圧の変動による偏差で、百万分率(×10-6)で表します。

●周波数負荷変動
発振器が出力する周波数の出力負荷の変動による偏差で、百万分率(×10-6)で表します。

●周波数可変範囲
コントロール電圧によって調整できる出力周波数の幅を示します。百万分率(×10-6)で表します。

●起動時間
電源を投入後、電気的特性を満足する状態となるために必要な時間。